これまで被写体の構造や写真のフォーマットが持つ特性からのアプローチで構図を組む手法を紹介してきました。
今回はそれらからもう一歩踏み込んだ、いや、併用することでより強い構図を組むためにコントラストについて考えてみたいと思います。
印象的なシーンを見つけた。しかし…
公園を歩いていると1本の枝振りが見事な木を見つけました。周りに池があったりツツジが咲いていたり、ついシャッターを切りたくなるシーン。
私ももちろん。カメラの設定を合わせてシャッターを切りますが、ちょっとピンと来ない。(中央奥のふたりや木の下にある案内版はおいておくとして)構図的には良いところに収まっているのにパッとしないのは、画面のコントラストに理由があります。
目を細めて見てみる
現場では目を細めてみたりしながら確かめるのですが、擬似的に似たように見えるよう階調を圧縮してみました。曇で順光気味の条件で画面内のコントラストが低い、つまり主題となる被写体と周囲の明度差が少ないことにより埋もれてしまっている状態です。
これ、デッサンをする際、ディテールを気にせず大きな明暗を捉えるためによくやることなのですが、風景の中に印象的な光を見つける時にも私はよくやります。
光の映えるアングルを探す
順光気味では背景に埋もれてしまったナツグミの木。花は白く、背景に林を背負っているので池をぐるっと回れば全体のコントラストが得られそう。
そんな予想をしながら池の周りを歩いていると印象的に木が照らされる場所がありました。薄目で見てもしっかりと背景から浮かび上がるコントラストを持っています。あとは構図を整えてシャッターを切るだけです。
最後にそんな感じで見つけたナツグミの構図のバリエーションを。(ダウンロードページに置いてあるカスタムピクチャーコントロール、Reversal STDでだいたい撮って出しでこの感じでます)