連続する類似オブジェクトが作る視線誘導の圧力

視線誘導で遠近感を補助する

類似オブジェクトの連続で視線を誘導する

豊かな画面の重要な要素となる視線を誘導する構成。視線誘導を促すためには線的要素を使って写真の構図を作るなど様々な手法がありますが、今回は類似オブジェクトを使ったアプローチに触れてみようと思います。

これを書いている時節柄(4月初旬)、川沿いの桜並木を例にしてみましょう。川越の新河岸川を望遠(150mm)で撮影しました。

桜並木に見られる類似構造

冒頭の写真に含まれる類似構造に補助線を重ねてみるとこうなります。ほぼ等間隔で並ぶ類似の構造(桜の木と水路の護岸・杭)によって視線が画面の奥に向かう圧力を作っています。

望遠レンズで撮影すると画角が狭い関係からパースが付けにくかったり、圧縮効果によって距離感が失われがちですが、大きさの比較がしやすい類似したオブジェクトが連続することで自然と目で追いかけてしまう効果(圧)を作ることができます。(たぶんゲシュタルト理論あたりで説明できる効果です)

ちなみに、これにボケの要素を加えると視線誘導の奥に向かうのか手前に向かうのかのベクトルのコントロールもできます。今回の例の場合、手前にボケ(アウトフォーカス)を置くことで奥に向かって視線が流れる圧を生むようにしています。

応用例

視線誘導の圧力を使った例

同じ日に撮影した別のカットではこの効果を応用して少し複雑な視線誘導をしています。(縦構図が体裁上、閲覧しにくいので図と横並びにしています)

類似構造の連続とボケによって画面上から下方向へ移動圧を作るところまでは同様ですが、船に視線が落ちたところで画面右外に消失点に向かうラインが、奥に向かうベクトルへ自然に誘導してくれる構成になっています。

また、ここでは視線が抜けていく水門の先に明るい黄緑の領域があることで明暗・色相の対比ができ、視線を引っ張ってくれているのも幸運でした。

桜並木と水路というシチュエーションは各地で見られますので、望遠レンズをもって試してみてください。ポイントはボカしすぎないこと、です。

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