写真集を作ると見えてくるものがあった

写真集を作ると見えてくるものがあった

2020-06-29
コラム

いきなりですが、写真集を作りました。

去年から秩父周辺で被写体となる山(と森)を探していた中で見つけた横瀬町にあるとある山。冬に訪れてみたところそこに広がる景色の素晴らしさに魅了され、季節や天候を変えながら通ってみました。

力強く生きる森を一冊に

ひょろひょろと伸びた胞子体が稜線を歩く登山者のよう

雪と氷をまといキラキラと輝いていた森は春に再訪してみるとすっかり姿を変え、緑が萌える力強い光が溢れていました。その力強さはブナの巨木といった分かりやすいものだけでなく、体調が数mmほどの小さな虫やちょろちょろと流れる清水からもあふれ出てます。

そんな森を歩きながら、この森を一冊の本として表現したらどうなるだろう?という思いが湧きあがってきました。幸いにして(?)新型コロナウィルスの感染拡大の余波を受け、ゆっくりと取り組む時間ができたことでその思いを形にすることができました。

ひとりで撮り、編集し、まとめた拙い一冊ですがお手にとっていただき、その森の美しさ、力強さを感じていただければ幸いです。

Lives in the forest ─ ブックパレットにて販売中

編む中で見えたもの

さて、宣伝が終わったところで個人的なフォトブックではなく写真集を作ってみたことで見えてきたものについて少し綴ってみたいと思います。

本を作るための作業を始めてすぐに、一冊の本をまとめるのは大変だなということを痛感しました。というのも、私は基本的に単写真、できればそれなりのプリントサイズを意識して写真を撮るのですが、本となると一冊を通してのリズムや抑揚が必要になります。

音楽のアルバムでもシングルカットされるようなキャッチーだったりダイナミックだったりする曲がある一方、フッと力を抜けるリラックスできる曲が入っていたりします。それは写真でも同じで「これは絶景だ」という写真ばかりではやはり疲れて流れが止まってしまいます。

たとえばこんな写真。

この一枚だけでなら私自身もお気に入りの一枚だったりします。しかし残念ながら、限られたページ数、全体の流れの中でこの一枚が入る場所はありませんでした。

むしろこのような一見なんでもないような平凡なカットが一冊の中でいかに大切なのか、ということを思い知らされます。そして面白いことに個人的なフォトブックと他者に向けた写真集では一冊を作るということは変わらないにもかかわらずその意味合いも大きく違って感じられました。

一歩引いて考えてみれば、差し向けるターゲットがまるで違うので、デザインとしてそれは当たり前のこと。ですが、そういうことも自分でやってみないと気がつかないということを改めて考えさせられた一件でしたし、何より本を作るというのはとても楽しい体験でした。

Amazonでもご購入いただけるようになりました

2020年7月23日よりAmazonPOD(Print on Demand)でも本写真集がご購入いただけるようになりました。AmazonPODの仕様上、ブックパレット版と若干の違いがありますが、内容に違いはありません。

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