あなたの写真、コントラスト恐怖症になってない?

カメラの扱いに慣れてきてさまざまな知識や意見を見聞きするようになると、ダイナミックレンジとか階調とか白飛びや黒つぶれなんて言葉が頭の片隅をチラチラします。

そういう要素もあるよねーなんてサラッと流して自分の表現を黙々と貫ける人にはこの話はあまり関係ないのでスルーしてください。実際、出てきた絵が良ければそれでOKなんですけど「少しでもクオリティを上げたい!」って気持ちがあるとやっぱりチラチラ気になっちゃうわけです。

絵を決める要素は大きく分けて、構図(配置)・コントラスト(主に明暗の)・配色なんですけど、構図と配色はわりとセオリーがハッキリしてるのでそれほど迷わないんじゃないかと思います。

けれど、(明暗の)コントラストは白飛び・黒つぶれっていう呪詛がその判断を揺さぶってくるんですよね。

これはそんな一例(左が階調を気にして現像したRAW、右がその場のコントラストを意識した撮って出し)。現場でそれなりに思案して決めたコントラストなのに、帰宅してRAWから現像してみたらついシャドウを持ち上げたりハイライトを抑えたりして均してしまう。「何を」主題にするのかがぼんやりしてると起こりがちなことですけど、絵面だけ考えちゃうと影響を受けやすいですよね。

たしかにシャドウ部のディテール大事だよ?でもたまには「うっせぇ!表現するためにはシャドウが潰れてたっていいんだよ!」みたいなマインドも必要ですし、その逆で「まぶしすぎて色なんかわかんねーよ!」って白を飛ばしちゃうことが正解なケースだってありますよね。

データ的には白飛び・黒つぶれもある一枚

何が正解で不正解ってこともないんですけど、白飛び・黒つぶれって呪詛と同じぐらいの強さで「コントラスト恐怖症」って言葉も心の片隅に置いておくといいんじゃないかなーと思います。