サブカメラにX-T20を購入してみた【ファーストインプレッション】

2018-06-19

X-T20

3月にマイクロフォーサーズとソニーEマウントをニコンのFマウント(D800E)に一本化したばかりなのですが、やはり諸般の事情でサブカメラが必要になったのでフジフイルムのX-T20を購入してみました。仕事の合間にパパッと撮ってきただけなのでレビューというよりインプレッションですが気が付いたことなどをまとめておきます。

X-T20を選んだ理由

サブカメラを選ぶ場合、一般的には以下の3つの選び方をするかと思います。

  1. まったく同じ機種(完全なバックアップ)
  2. 同じマウントで用途をずらした機種(高画素機 or 連写機など)
  3. 別のアプローチができる機種

私の場合、最初は2の方法でD500を検討していました。ニコンの17-35mm F2.8を使えば標準ズームの代わりになりますし望遠域をさらに拡大することもできます。そしてAPS-CということでAFエリアが広く連写も速いのでD800Eが苦手な領域をカバーできます。しかしD500はAPS-Cとはいえ重い。

D500のAFエリア
D500のAFエリア via Nikon D500

ならばということで3の方法に切り替えて以前から気になっていたフジフイルムのミラーレスを候補にしてみることにしました。基本的にはD800Eを中心に据えてのバックアップとして標準ズームとのセットを検討。当初はX-T2で考えていましたが、コマ速も8コマ/秒ありますし画質についてはX-T2と遜色なく、軽さを優先したかったので最終的にX-T20のレンズキットを選びました。

操作感など

これまでオリンパスのOM-D(E-M1 MarkII/E-M1/E-M5)、PEN(E-P2/E-PL6)、ソニーα7II、そしてニコンのD750、D800Eとエントリークラスからハイエンドクラスまでいくつかのカメラを使ってきましたが、X-T20の操作感はPENシリーズに近いクラスだなと感じます。メーカーとしてもミドルクラスの扱いですのでそれはそうだろうという話なのですが…

ボディサイズに関すること

三脚穴の位置

私自身がコンパクトを望んだのである程度は想定どおりなのですが困ったのは三脚穴の位置。これまでOM-Dやα7IIなどで光軸からズレているのは慣れていたのでそこまで気にしないつもりでしたが、これには参りました。PeakDesignのキャプチャーを使うためのプレートを装着するとバッテリー室へアクセスができません。

キャプチャープレートはアウトドアでのカメラ携行と三脚へのアクセスをあわせて解決できるアイテムでこれまで愛用していましたが、プレートの付け外しするために六角レンチを常に持ち歩くのも面倒です。D800Eではキャプチャープレートが重さに負けることもあり携行について見直しを考えていたので三脚へのアクセスはL型プレートなどで解消することにします。

小指あまりが結構痛い

コンパクトなミラーレス機の宿命かもしれませんが、X-T20もご多分に漏れず小指があまります。この握りが短時間でも結構痛いので先ほどの三脚穴対策と被る部分もありますが、必要に応じて付け外しのバリエーションがとれるL型プレートが最適解かなと考えています。(もちろんバッテリー室へのアクセスは確保した上で)

操作(ボタン・ダイヤル)に関すること

ボタンも小さい

さわり始めてからの時間が短いので「慣れ」に起因する部分が大きいのは承知の上で、これまで使ってきたオリンパスやニコンと勝手が違って戸惑うことが多いです。取扱説明書にはダイヤルで絞り値とシャッタースピードの変更ができるとありますが、どうやら絞りリングなしのレンズを使った場合のみの制御なのかカメラのモードを色々と変えても絞り・シャッタースピードのコントロールはできないようです(後日Twitterで力業で実現できると教えていただきました)。

絞りリングにこだわりがあるのは分からなくもないのですけど、両手が常に空いているわけではありませんのでせっかく配置された2ダイヤルが撮影時に遊んでいるのはちょっともったいないような気がします。

Qボタンから呼び出すクイックメニューはオリンパスのスーパーコンパネと似た感覚で扱えるので、しばらくはクイックメニューを中心にしながら習熟していきたいと思っています。

フィルムシミュレーション

フジフイルムと言えばの目玉機能フィルムシミュレーション。実のところ私が購入の決め手にしたのもこの機能ですが実際に試し撮りしてみて「なるほど〜」と唸ることになりました。近所で恐縮ですが撮影サンプルは川越氷川神社です。JPEGの画質でも十分にクオリティは高かったのですが、せっかくなのでRAWからプロファイルを当ててフジらしさを損なわないように気をつけながら軽い現像をしてみました。

Provia

Provia

スタンダードに設定されるのも納得のプロファイルです。鮮やかかつナチュラルなトーンとコントラストが扱いやすい。デフォルトではややシャドウが落ち込みすぎるような傾向なので設定でシャドウを+1〜2ぐらいにするとちょうど良く感じます。

Velvia

Velvia

私が持っていたVelvia(フィルム)のイメージとはやや違うのですが、今フジフイルムが考えるVelviaとはこうなんだという納得感のあるプロファイルでした。ファインダー内がVelviaになるのはちょっと辛いので、構図を決めた後に切り替えてという使い方が良さそうです。

Astia

Astia

爽やかな鮮やかさという印象。人物を撮るのにProNegとどちらを選ぶかと悩みそう。

Classic Chrome

ClassicChrome

各所で評判の良いクラシッククローム。実際に使ってみて光によって振り幅が大きい印象を受けました。少し枯れた雰囲気のグリーンが出るので苔むした森などで使うとグッとくるかもという予感がします。

インプレッション

短時間での試写でしたがフジフイルムのこだわりが垣間見えました。設定を詰めていけばたしかにJPEGで文句なしの写真が得られるのは爽快。ProNegの肌のトーンもさすがです。ISO1600でもノイズを感じない画質であったり、十分に質の高い描写をするキットレンズなどコストパフォーマンスはとてもいいと感じました。

しかし、実際に使ってみると高品質(画質)のメカを割り切ったボディに詰め込んでいるからか、そのポテンシャルを活かそうと思うとまどろっこしく感じてしまう場面も多く、扱いは難しいカメラかなという印象です。(フォーカスセレクターを物理レバーとして備えたX-H1やX-T2など上位機種では印象が変わるかも知れません)

そのあたりの扱いにくさ(ストリートフォトや風景にはGood、スポーツはキツい)といった部分を含めて、あくまでサブと考えるとなかなか頼もしいのではないかと今後に期待が高まっています。

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