手持ちパノラマで構図感覚のトレーニング

谷川岳肩の小屋より

手持ちパノラマは簡単だけど奥深い

今回はちょっと毛色の違うことをやってみます。パノラマ撮影をしっかりやろうと思うと専用の雲台やそれらに耐える大きな三脚にそれなりの知識が求められる分野です。

しかし、最近はソフトウェアの進歩もあって厳密にノーダルポイントを求めなくても、精密性を求められないものなら手持ちでもきれいに繋げるようになりました。特にLightroom Classic CCではパノラマ合成後もRAW(DNG)で扱えるので、表現手段としてグッと身近になりました。

そんなわけで手持ちパノラマをテーマにしてみようと思います。

具体的な手持ちパノラマ作成の手順については過去に別ブログで書いています。やってみると(ちょっとコツはあるけど)意外と簡単で面白いのでぜひトライしてみてください。

撮影時に仕上がりが確認できない

今回パノラマにした写真は下のように13枚の素材を繋いでできた1枚です。撮影自体はカメラを縦位置で露出を固定したら水平にパンしながら撮影するだけです。

簡単そうにさらっと撮影方法を書きましたが、ここが今回のポイントです。先ほどのLRのライブラリ画面を見てお気づきの方もいるかも知れませんが、パノラマ撮影をする時はファインダーで構図を見ることができないんです。(スイングパノラマ機能で撮影後に確認できる機種はありますが)

つまり強制的にファインダーを覗かずに構図組みをやらなくてはならないということになります。

以前、ファインダーを覗く前に構造を理解しようという記事を書きましたが、パノラマの場合は撮影後のポストビューですら構図が見られないので試行を重ねるしかありません。

取り込み後に実際につなぎ合わせるとこのように歪みますし、端になるほどその度合いは大きくなります。なんとなく記念にパノラマで撮るというなら簡単なのですが、イメージした構図のどの辺りに主題を持ってくるのか、そしてそれが意図通りの結果になるのかという作業を、(取り込んで見るまで)ブラインドの状態で繰り返すことは構成力を鍛えるいいトレーニングになります。

やってみると分かるのですが、意外と端になるコマが足りないということが多かったり、パンしている間の上下動が大きかったりと想定外の発見も多いんですよね。(ついでにブレない撮影フォームの練習にもなりますね)

【おまけ】パノラマ画角はこんなに広大

17mmの画角と比較

最後におまけです。同じ場所で17mmの画角で撮った写真を比較のために重ねてみました。なかなか思ったように撮れないパノラマですが(だからこそトレーニングになる)これほどの超広角を得られるというのは単純に楽しいですよね。