COVID-19の流行が長引き憂鬱な日が続きますね。
写真を撮るにしても買い物や通院のついでにパパッと撮るか、家の中でできることをするかと大幅な制限を余儀なくされている方も多いんじゃないかと思います。
こればっかりは仕方ないですけれど、カメラ雑誌やSNSでも家でできる撮影アイデアが紹介されていたりして、みなさん様々に工夫して写真を楽しんでいるようですが、私からもひとつアイデアを提案してみたいと思います。
それが、タイトルにもした「写真とプラモをクロスオーバーして楽しむ」ということ。ざっくり言うと撮影から逆算して作ってみると楽しさが何倍にもなるよって話です。
「見え」を意識して作ってみる
普段からプラモデルを切る・貼る・塗るをしている方にとっては「なんだあたりまえじゃん」という話なのでスルーしてください。モデラーにとってはごくごくあたりまえの話で「最後にどんな画になるかをイメージしながら組む」というだけです。
買ってきてそのまま組み立てるのももちろん楽しいんですけど、写真から逆算しながら作ってみると何倍も楽しいですし、写真映えするためにはどこを作り込めばいいのかのメリハリを判断しやすくなります。
例えば今回の例にしているMG 1/100 Concept-X6-1-2 ターンエックスでは、シド・ミードによる大胆でシャープなフォルム(とその構造線)や重厚さをどこで出すのかということを考えて「面のエッジには手をかける。それ以外の見えなくなるところは手を抜いて気軽に組み立てる」ことにしました。
エッジの解像度
具体的にどうしたのかという話。
架空のメカなので1/1が実際にあるわけではないですが、面のエッジが1/1と1/100で同じ曲率(半径)で折れてるとしたらキットのエッジは刃物のようなキレでなければ非常にダルに見えることになります。
鑑賞者やカメラ側の解像度もあるのでそのまま1/1の情報量を1/100に圧縮する必要はないものの、キットそのままではシャープネスや情報量といったエッジの解像度が足りないのでペイント(ウェザリング)で補います。つまりシルバーやホワイトでエッジ部分にコントラストをつけておきました。
逆に面の中心部は汚れたら簡単に拭き取るか上からベースカラーを薄く塗るということをしています。これは1/1のサイズではムラ無くフラットに塗装するのが困難ならば1/100でもムラを残した方が「らしい」のではと考えたから。(大型の艦船や車輌を見るとそうですよね)
ただし「らしく」なればいいわけで、あんまりこだわって組み立てに凝りすぎるとめんどくさくなってしまうので基本的には超雑塗装。ちょっと薄めた塗料をランナーについたまま筆塗りでバシャバシャ、ゲート跡は面相筆で簡単にレタッチ。塗料も筆を水洗いで済ませられる水性ホビーカラーです。昔、凝りすぎて完成するまでに飽きちゃうってことが何度もあったので「どこまで作るか」を決めておくのは本当に大事…
以下に、今回使った用具のリストをまとめてあるのでご参考までに。
たっぷり時間が使えて発見も多い
モデルが完成したら後は撮影。今回は大胆でシャープな面構成を見せていきたいので黒い背景紙を撮影台に、グリッドを付けたソフトボックスをメインライトにサイドへ、シャドウ起こしはボール紙の板にアルミホイルを巻いたものというセットを組んでみました。
実際にやってみてターンエックスは肩に大きな半円のプレートがあり頭部や胸部に狙った光が当たらないので、補助としてスヌートでギュッと絞ったピンスポットを当てています。
作って楽しい、塗って楽しい、撮って楽しいとそれぞれの工程で工夫しがいのあるポイントがあって1粒で3度おいしいプラモデル。外出できないゴールデンウィークにちょうどいい遊びでは?と思います。(塗装するのに換気もしますし?)
ちなみにこちらのムックも撮影のヒントやアイデアがたっぷり詰まっていてパラパラと捲るだけでも楽しいのでおすすめです。
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