NikonとSIGMA、2本の 105mm マクロレンズを比較する

 

みんなが気になるマクロレンズ比較

レンズをいくつか入れ替えるタイミングでたまたま105mm F2.8という同じスペックの等倍マクロレンズが手元にあるという状況になり、せっかくなので較べてみることにしました。

レンズスペック

AF-S VR Micro-Nikkor 105mm f/2.8G IF-EDMACRO 105mm F2.8 EX DG OS HSM
レンズ構成図Nikon - レンズ構成図via Nikonシグマ - レンズ構成図via SIGMA
レンズ構成12群14枚
(EDレンズ1枚、ナノクリスタルコート1面)
11群16枚
(SLDガラス2枚)
絞り羽根枚数9枚(円形絞り)9枚(円形絞り)
最小絞りf/32f/22
最短撮影距離31.4cm31.2cm
最大撮影倍率1:11:1
フィルターサイズ⌀62mm⌀62mm
最大径×長さ⌀83mm×116mm⌀78.3mm×126.4mm
質量約750g720g(ニコン用実測)

まずは2本の105mm F2.8というレンズの仕様を見てみましょう。と言いたいところですが、レンズ構成に違いはあるものの105mm F2.8で等倍を目指すとほぼ同じような数字が並びます。強いて使用上に影響がある大きな違いを挙げるとすれば最小絞りぐらい。

絞りによる変化

Nikon AF-S VR Micro-Nikkor 105mm f/2.8G IF-EDとSIGMA MACRO 105mm F2.8 EX DG HSMの描写の違いをF4~F11まで4段ほど絞りを変えながら較べてみました。(比較画像はクリックで最大幅2048pxまで拡大します)

絞りによる変化

上段がNikon、下段がSIGMAでそれぞれD800にレンズをマウントし、ピクチャーコントロール「ニュートラル」のJPEG撮って出しです。開放がF2.8のレンズでありながらF4始まりなのは撮影時の条件で開放値がNikonでF3.0、SIGMAでF3.2と揃わなかったためです。(Nikon機特有の実効F値というやつ、詳しい説明はここでは省きます)

いずれのレンズもF4では周辺減光の影響がまだ残るものの絞り込むにつれ解消してきます。意外なのは純正同士で有利な条件であるはずのMicro-NikkorよりもSIGMAの方が早い段階(F5.6)で周辺減光を解消していることと、全体的にコントラストが高いこと。F11では光量の透過量の差も大きいように見えます。

ボケの違い

ボケの質はそれぞれ違う

続けてボケの質について見てみます。全体を見ると同じ撮影設定なのでボケの量もだいたい同じように見えますが、ボケ方の質はそれぞれに違いがあります。上の写真はパターンが分かりやすく前後に距離のあるフィギュアの足下の100%クロップです(クリックで最大まで拡大すると円内が等倍になります)。Micro-Nikkorはじわじわリニアにボケていき、SIGMAはスッと背景にとけこむようにボケるように見えます。

同じ絞り値でも被写界深度が違う?

若干ピント位置が違っているので参考程度ですが、ピント面のシャープさからボケへの繋がりについてもそれぞれに違いがあるようです。Micro-Nikkorがリニアにボケていくのに対し、SIGMAのレンズはある程度シャープな範囲が続いてからストンとボケていく傾向があるようです。言い方を変えればある程度深くピントが合う範囲があり、そこから外れるとスッと一気にとけるのでポートレートなどでは使いやすいかと思います。

AFについて

いずれのレンズもAF(オートフォーカス)が速い方ではありません。ただし、Micro-Nikkorは純正レンズだけあって迷いは少なくAF-Cもスムーズに動作します。一方、SIGMAのレンズは照度が低い室内などの環境では迷うことがそれなりにありますので、適宜マニュアルフォーカスに切りかえるか、フォーカスリミッターでAF範囲を制限するなどの工夫が必要です。

まとめ

SIGMA MACRO 105mm F2.8 EX DG OS HSMで撮影
SIGMA MACRO 105mm F2.8 EX DG OS HSMで撮影

全体として安定した階調性とAF性能で使い勝手の良いMicro-Nikkor、コントラストが高く澄んだボケで華やかな描写のSIGMAといった印象です。どちらも各社主力を投入してくる中望遠等倍マクロですので、周辺減光は少し絞れば解消しますし、歪曲収差は(デジタル補正なしでも)ほぼ無視できるレベルです。

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ちなみに以前に5種のマクロについて書いた記事もあります。こちらも6本目を追加しなければいけませんね…

通算6本のマクロレンズを使った私からこの記事をここまで読んだあなたに言えることは「好きなの買え」という一言です。